内科
クリニックの役割は、患者さんを日常的にケアして病気を予防、また病気を広くみつけて、早期治療をすることだと考えています。そのため「生活習慣病」はまえだファミリークリニックが力を入れている分野のひとつです。
生活習慣病(高血圧症、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症など)が進行すると、ときに命に関わることがあります。動脈の中にコレステロールや中性脂肪がたまることで動脈の弾力が失われ、血液が流れにくくなる「動脈硬化」が起きます。この動脈硬化が進むと、血液がつまって、心臓の筋肉や脳に酸素や栄養が届かなくなり「脳梗塞」や「心筋梗塞」を発症、ときに死亡することもあります。「動脈硬化」には、自覚症状がありませんから、「生活習慣病」は「沈黙の病気サイレントキラー」と呼ばれるのです。
定期的に健康診断を受けて、気にかかることがありましたらお気軽に当院へ御相談ください。
高血圧症
血圧とは、心臓から全身に血液が送り出される時や迎えいれる時にかかる血管への圧力のことです。
心臓の送り出す血液量、動脈の壁の弾力性、末梢血管の抵抗などの要素で決められます。
高血圧症とは、慢性的に動脈に強い圧力がかかっている状態のことをいいます。
- 最高血圧(最大血圧、収縮期血圧)・・・心臓が収縮したときの血圧
- 最低血圧(最小血圧、拡張期血圧)・・・心臓が拡張して血液を吸い込むときの血圧
日常の動作、時間、環境などの影響を受けて常に変動しますが、昼間はからだを動かしているので高く、夜は寝ているので低くなります。運動や食事、喫煙、飲酒、緊張や興奮、寒冷などでは高くなり、安静、温暖などでは低下します。
健康な人のからだでは、血圧は様々な要因に対して適切に保たれるように調節されています。
日本高血圧学会による「高血圧治療ガイドライン2014」では、診察室で測定した場合、収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上を高血圧としています。
??このまま高血圧を放っておくと??
脳卒中、心臓病、慢性腎臓病(CKD)になるリスクがあがります
高血圧を改善するために減塩を心がけましょう
目標:食塩の摂取量を1日6g未満に
塩辛いものを食べすぎない、めん類の汁は飲み干さないなど
糖尿病
血糖とは、血液中のブドウ糖のことをいいます。
高血糖は、血糖がなんらかの原因で細胞に取り込まれなくなり、血液中にあふれている状態です。
この高血糖の状態が続いているのが糖尿病です。
ご飯やパン、くだものや砂糖、アルコールなどには「糖質」が含まれています。それが消化吸収されると「ブドウ糖」になり血液の中に入っていきます。
この血液中のブドウ糖のことを「血糖」といい、血糖は「インスリン」というホルモンの働きによって、身体を動かすエネルギー源となったり、一部はグリコーゲンとして肝臓に蓄えられます。
インスリンは血液中のブドウ糖が細胞内に取り込まれるのを助ける役目を果たしますが、もしインスリンが欠乏したり、うまく働かないと、血液中の糖が増加し、「血糖値」が高い状態が続きます。
これが糖尿病です。
糖尿病は、初期には自覚症状がほとんどない場合が多いのですが
- すぐのどが渇く
- トイレが近い
- オーバーウエイト
- 食べてもやせる
- 身体が疲れやすく、だるい
などの症状があったら要注意です。糖尿病の可能性を疑ってみてもよいかもしれません。
??糖尿病を放っておくと??
動脈硬化が進行し、全身の血管がぼろぼろに。さらに高血糖により全身の神経も傷つきます
細い血管に生じる病気
- 糖尿病網膜症・・・失明の危険
- 糖尿病腎症・・・腎不全の危険
- 糖尿病神経障害・・・足のしびれや壊疽などの危険
太い血管に生じる病気
心臓病、脳卒中、閉塞性動脈硬化症など
糖尿病などを防ぐために高血糖や血糖値の急な上昇を防ぎましょう
食事は野菜から食べる、炭水化物のとりすぎに注意、おやつなどの間食は控える、朝食は抜かず1日3食規則正しく
脂質異常症
中性脂肪やHDLコレステロール、LDLコレステロールなどの血液中の脂肪分を血中脂質といいます。
血中脂質はどれもからだに必要な成分ですが、何らかの理由で中性脂肪やLDLコレステロールが増えすぎたり、HDLコレステロールが減りすぎたりすることがあります。これが脂質異常です。
従来「高脂血症」と呼ばれていた病名を日本動脈硬化学会は「脂質異常症」という名称に変更しました。それは、善玉コレステロールであるHDLコレステロール値は低いほうが心疾患などの危険が高いということで、単にコレステロールなどの脂質が高い病気という意味の「高脂血症」という言葉は正確ではないという理由からです。
かつての日本人には脂質異常症はさほど多くみられませんでしたが、現在は年々ふえ続けています。その理由のひとつは食生活の変化です。魚類・穀類・野菜を中心とした食生活が、次第に高タンパク・高脂肪・高カロリーの欧米式食事へと変わってきたことによります。もうひとつの理由は、ライフスタイルの変化です、日常生活で身体を動かす機会が減り、運動不足になる人もふえてきました。
このように余分なエネルギーが発生し、それが皮下脂肪や内臓脂肪といった形で蓄えられることになります。
??このまま脂質異常を放っておくと??
動脈硬化が進行し、全身の血管がぼろぼろに。
脳卒中、心臓病、認知症になるリスクがあがります。
脂質異常を改善するために動物性脂肪やコレステロールのとりすぎを防ごう
×とりすぎに注意するもの→脂肪が多い肉(ロース、ひき肉、鶏皮)、動物性脂肪(バター、ラードなど)、レバー、モツなど、内臓系、卵黄
○コレステロール値の上昇を抑える食品→サバなどの青魚、ブリ、サケ、オリーブオイル、野菜、きのこ、海藻、大豆製品(豆腐、納豆、豆乳)
高尿酸血症
尿酸値とは、血液1dLあたりの尿酸値(mg)のことです。高尿酸血症とは、血液中の尿酸が増加している状態です。高尿酸血症は痛風発作の原因となりますが、危険の本質は痛み(痛風発作)よりも腎障害や動脈硬化が進行しやすくなることなどにあります。
??このまま高尿酸の状態を放っておくと??
高尿酸血症(痛風)となり、痛風発作、尿管結石、腎障害などになるリスクがあがります。
高尿酸血症を改善するための生活習慣
朝食は抜かず1日3食規則正しく、よくかんで8分目を意識、アルコールは飲みすぎない、水分をしっかりとる(目標は1日2L)
尿酸のもととなるプリン体の多い食品を控える(鶏レバー、豚レバー、牛レバー、カツオなど)